検索エンジンやデバイスの進歩に伴い、種々のSEO施策にも隆盛がありました。過去のSEOのトレンドについて学んでおくことが今後のSEOを考えるうえで何らかのヒントになるかもしれません。そこで、簡単にSEOの過去のトレンドについて振り返ってみましょう。
◆SEO黎明期〜何でもありの時代〜(1991~2002)◆
1991年の8月6日にTim Berners-Leeが世界で最初のwebサイトをローンチしたのを皮切りに多くのwebサイトが作られてきました。webサイトがインターネット上で溢れるようになるにつれて、1993年頃に検索エンジンがwebサイトをキーワードに基づいて分類しはじめました。これによりユーザーは求めている情報に格段にアクセスしやすくなりました。その後、1994年にYahoo、1997年にはGoogleがこの分野に参入し、webサイトのデータをシンプルかつ効率的にインデックスする技術が発展していきました。
この時期におけるSEOは一言でいえば、「何でもあり」でした。過度なタグ付けや被リンクの設置、キーワードでページを埋め尽くすことがもっとも効果的な時代でした。
◆SEO初期〜良質な被リンクの時代〜(2003~2005)◆
この時期は、質の悪い被リンクやキーワードでwebページを埋め尽くす行為等にGoogleがペナルティを与え始めた時期です。さらにこの時期に検索エンジンはよりパーソナライズされていくことになります。具体的にはユーザーの検索履歴をもとに検索結果を最適化していく手法が採用されました。また、キーワードとともに地域名を入れると地域内の店舗等の情報が地図とともに表示されるGoogle Localを導入。それぞれのユーザーにあった良質な情報を検索エンジンが提供しようとし始めた時期となりました。
この時期のSEO担当者は「何でもあり」のSEOをやめ、良質な被リンクをいかに集めるかということに苦心することになりました。
◆SEO中期〜新しいメディアの時代〜(2006~2009)◆
この時期、GoogleはUniversal Searchという名でニュースや画像、動画などを検索結果に反映するようになりました。さらに2008年には文字を入力するたびに検索候補を絞り込んでいくGoogle Suggestが導入されました。
この時期のSEO担当者はテキスト情報だけでなく、画像や動画といった新しいメディアコンテンツを利用することによって、ユーザーの目に留まる機会を得ることができました。
◆SEO近代〜コンテンツの時代〜(2010~2012)◆
Googleの大規模な検索アルゴリズムのアップデートにより内容の薄いwebサイトや過度なSEO対策を行っているwebサイトが検索結果から排除されたり、大幅に検索順位を落とすことになりました。さらに、Googleは検索を行った際に、入力されたキーワードに関連する情報を検索結果の上部に表示することにしました。たとえば、「時間」というキーワードで検索すると現在の時間が検索結果の上部に表示されます。この結果、ユーザーは欲しい情報を入手するためにwebサイトを閲覧する必要が少なくなりました。また、この時期にはソーシャルメディアが急成長し、検索結果に影響を与える1つの大きな要因となりました。
この時期のSEO担当者は、価値のある情報を提供するだけでなく、その情報がユーザーにシェアされるようなコンテンツを作る必要がありました。
◆現在のSEO〜モバイルの時代〜(2013~2015)◆
現在はモバイルユーザーの劇的な増加によって、多くの検索がモバイルから行われています。モバイルからの検索はPCからの検索と2つの点で異なります。1つは、ディスプレイのサイズです。モバイルに最適化されたwebサイトでなければ検索エンジンからの評価を得ることは難しくなっています。2つ目はローカルな情報の利用です。モバイルの現在地情報を利用することによって、より地域に最適化された検索結果を検索エンジンはユーザーに返すことができます。
現在のSEO担当者は、質の高いコンテンツを作るだけでなくモバイルユーザーへ訴求するwebサイトを作ることが求められています。
◆未来のSEO◆
未来のSEOについて予想できることはほとんどありませんが、それでも確実に言えることがあります。ユーザーの利用状況にあわせて最も簡単な形で質の高いコンテンツを提供しなければならないということです。検索エンジンは、ユーザーに最適化された情報をより簡便な形で提供するように進歩しています。また、ユーザーは最小の努力で欲しい情報を手に入れたいと思っています。最近ではそもそも複雑な操作がしにくいウェアラブル端末も登場しました。
検索エンジン側からもデバイス側からも「より簡便で質の高いコンテンツ」の要請は続いていくと思われます。ですので、SEO担当者は、webサイトのコンテンツが質の高さやオリジナリティだけでなく、どこからでもアクセスできかつローカルやモバイルに最適化されているようにしましょう。音声検索にも対応させましょう。テキスト情報だけでなく、画像等のビジュアルな情報も利用しましょう。ユーザーフレンドリーなwebサイトを作ることがどの時代にも求められるSEO対策と言えます。